会社経営に関する問題

法人の破産・事業再生

1 法人の破産,事業再生について

会社の経営が危機的状況に陥ったとき,会社を再建するか,やむなく破産するか適切な判断が必要となります。

もっと早くに対応していれば破産が免れたケースや,破産申立前に弁済や財産を処分して問題となるケースもあります。

また,破産をするにも申立費用や予納金などが必要となり,ある程度の資金が手元にあることが前提となります。

手元に資金が無くなってから対応しようとしても,最悪の場合,取り得る手段がないという事態に陥ることになりかねません。

そのため,早期に当事務所へご相談いただければと思います。

どのような手続きをとればよいか,それぞれのご事情,状況に応じて最善の方法を考え,会社の事業再生,倒産手続きに向けて取り組みをいたします。

また,当職はこれまで,債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)を用いた債務額130億円を超える会社の民事再生申立手続きにも携わったほか,最近では 神戸市に本社を置く会社の破産手続きを行い,その際にはヤフートップニュースにもとりあげられ,海外からも事件に関する問合せを受けました。

しかし,大規模な破産事件だけではなく,中小企業や地元の個人事業主の方からなどの依頼も多くお受けしております。

豊富な経験と知識を活かし,最適な手法をアドバイスいたしますので,資金繰りが悪化してきましたらなるべく早くご相談ください。

2 手続きについて

会社の倒産,事業再生についての主な手続きとしては,以下のものがあります。

【清算型】

資産の全てを売却し,その金額を債権者に弁済するものです。

    1. 破産手続

      裁判所が選任した破産管財人が会社の資産を換価し,債権者に配当する手続きです。

      当職は,破産申立代理人としてだけでなく,裁判所から任命される破産管財人としても多数の案件を努めておりますので,様々な視野から対応できます。

      申立の際には従業員への解雇通知や,債権者への支払の中止,売掛金の回収などを勘案し,申立に向けてスケジュールを組んでいきます。

    2. 特別清算手続(株式会社のみ)

      清算人が債権者と協議をしながら清算手続を進めていくものです。

      破産と比べると裁判所の監督は後見的なもので,柔軟,迅速な解決を図ることができる点に特徴があります。

      また,清算人は会社が選任できますので,従前の代表者や自らが委任をした弁護士が清算人となることができますから,部外者が関与せずに手続を進めることができるという意味で安心して手続を進めることができます。

      ただし,株式会社しか利用できない,債権者(債権総額)の3分の2以上の同意が必要など利用するための要件は厳格です。

      そのため,協定や和解によって債務が処理され,債権者の多数の理解が得られる場合などに利用されます。

【再建型】

債権者の権利内容を調整したうえで,事業を継続し,その得られる収益の中から債権者に弁済をするものです。

    1. 民事再生手続

      従前の代表者が,裁判所,裁判所で選任された監督委員の監督のもとで再生計画を 履行する手続きです。今後の事業継続は見込めるものの,過去の負債がネックとなっている場合に,債務を一部免除してもらったり,弁済期を猶予してもらったりすることで,事業を継続しながら会社の立て直しを図るものです。

    2. 会社更生手続(株式会社のみ)

      株式会社のみが利用できます。更生管財人が選任され,更生計画を実行する手続きです。大企業の倒産処理に適しています。

【その他】私的整理

個人の場合の任意整理のように,法的手続をとることなく,債権者と個別に交渉し て合意によって事業の清算または再建を図るものです。

債権者との個別交渉が必要となりますから,負債のほとんどがメインバンクである など債権者数が少ない場合に利用されることが多いです。