ニュース

Q.現在,夫と別居し,子どもと一緒に暮らしています。児童手当を受給するため役所に相談に行ったところ,別居しただけでは受給要件を満たさないと言われました。児童手当を受給する方法はないのでしょうか。

別居先に住民票を移している場合,離婚意思が確認できる資料を提出すれば児童手当を受給することができます。詳しく見て行きましょう。

児童手当は,児童の健全な育成や生活の安定のため児童を養育する人に支給されます。

では,児童を養育する人とは,どのような要件を満たせば認められるのでしょうか。
例えば,神戸市の下記ホームページを見ると,児童手当の受給資格者として,下記のように定められています。

(神戸市HP-児童手当)
→ https://www.city.kobe.lg.jp/a86732/kosodate/shien/support/b016/index.html

(1)~(5)のいずれかに該当し,かつ,神戸市にお住まいの方(住民登録をしている方)

(1)支給対象となる児童を養育(監督・保護し,かつ,生計を同じく)する父または母
(2)支給対象となる児童を養育(監督・保護し,かつ,生計を同じく)する未成年後見人
(3)支給対象となる児童を養育(監督・保護し,かつ,生計を同じく)し,かつ,父母等が指定する方(父母等が国外居住の場合に限る)
(4)支給対象となる児童が入所する施設の設置者又は里親
(5)上記(1)~(4)以外の場合で,支給対象となる児童を養育(監督・保護し,かつ,生計を維持)する方

夫と別居し,子どもと一緒に生活しているのだから,上記(1)に該当して児童手当を受給できるのではないかと思われるかもしれませんが,夫と別居しているだけでは仕事の都合で単身赴任している場合と区別が付きません。
単身赴任のように,生計を別にしているわけではない場合,児童手当は生計を維持する程度の高い人に支給されるため,実際に子どもと生活をしている人に児童手当が支給されるとは限りません。

そのため,離婚意思が確認できる資料の提出が必要となるのです。
では,離婚意思が確認できる資料とはどのようなものが必要なのでしょうか。

離婚を求める調停を申し立てているのであれば申立書の写し等を提出すればよいのですが,まだ調停を申し立てていなくても,弁護士等が作成した離婚を求める通知書の写しがあれば大丈夫です。
上記通知書は,弁護士が離婚に関する事件を受任した場合,相手方である配偶者に送付するものですから入手することは簡単です。
どのような内容を記載すれば離婚意思が確認できる資料として認められるかについては一度弁護士に相談してみてください。

児童手当は,生活の安定のため重要なものです。
正式に離婚が成立する前でも受給することは可能ですから,きちんと手続をして受給するようにしてください。