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Q.離婚をし,子供は私(母親)と暮らしております。子供の実父が亡くなった場合,子供 は相続人とはならないのでしょうか。

配偶者は相続人となりますが,離婚後は相続人ではなくなります。

しかし,子供については,親子であるという身分関係に変わりはありませんので,前妻(夫)との間に子供がいる場合,離婚して籍が抜けていても,その子供には相続権が認められています。

例えば,離婚して母親が親権を持ち,父親の籍から抜けて母親の籍に入り,母親と共に暮らしている。
そして,何年も父親との交流はない。
このような場合でも,父親が亡くなった場合,その子供は父親の財産を相続することが出来ます。
(仮に父親が再婚をして,再婚後に子供が生まれていても,前妻の子と再婚後に生まれた子の法定相続割合は同じです。)

また,同じ例で言うと,もし母親の方が再婚をしたとしても,子供の実父の相続権には影響を与えません。

※再婚した場合,連れ子は再婚しただけでは,再婚相手(新しい父親)の相続権はありませんが,再婚相手と連れ子が養子縁組をすれば,再婚相手の「子」として相続人になることができます。
この場合,子供は,実父(前の父親)の相続権を持ちながら,養父(新しい父親)の相続権も得ることになります。

もし,被相続人が「すべての財産を再婚後の妻(夫)と子に相続させる」旨の遺言を残して亡くなった場合は,その遺言に基づいて遺言が執行されることになりますが,前妻(夫)の子は遺留分を請求することができます。

【遺留分】
→ 最低限度の相続財産を取得できる権利として,民法で認められている相続分のこと。相続が始まったことを知ったときから1年以内に請求(遺留分減殺請求)することが必要です。(知らないままでも,相続開始から10年が経過すると請求する権利が失われます。)

以上のように,離婚をしても子供には相続権が残ります。

離婚や再婚をすることにより,後々,相続に問題が生じることも多くありますので,ご心配やご不明な点等がありましたら,いつでもご相談ください。